国政報告

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「ご挨拶」

5月になりました。1月20日に始まった国会も100日が経過し、会期末まで50日足らずとなりました。今の国会ではこれまでに、予算や条約を含めて30本以上の法律が成立しています。現在も「テロ等準備罪」に関する法案など、重要な数多くの法案を連日審議しています。充実した国会審議を重ねた上で、一本でも多くの法律が成立できるように、私も国会運営を担う一人として引き続き努力して参ります。

【北朝鮮情勢が緊迫する中で】

北朝鮮情勢が緊迫しています。北朝鮮は今年に入りミサイル発射実験を繰り返し試みています。先月も3回試み、そのうち2度は失敗した模様です。また核実験の準備も進めていると推測され、もし行えば、この2年で3回目の核実験となります。

この北朝鮮による挑発行動に対して、アメリカのトランプ大統領は前任者のオバマ大統領の方針を転換し、「全ての選択肢がテーブルの上にある」と明言しています。これは単なる発言ではありません。行動を伴う方針転換です。実際、トランプ大統領は、市民に対して化学兵器を使用したと見られるシリア軍の施設に対してミサイル攻撃を命じ、実行しました。

安倍総理は2月に日米首脳会談を行い、その後も3月、4月と北朝鮮のミサイル発射が行われる度にトランプ大統領と電話会談を行っています。また先月中旬にはペンス副大統領も来日し、安倍総理と会談を行いました。一連の会談の中で日米両国は、危険な挑発行動を続ける北朝鮮に対して強く自制を求め、同時に、北朝鮮が真剣に対話に応じるよう、圧力を強めることで一致しました。

昨今の状況から、北朝鮮が新たな段階の脅威となっているとして、北朝鮮問題への対処には日米の緊密な連携が重要であることや、北朝鮮と関係が深い中国の役割が重要であり、更に大きな役割を果たすように中国に対して働きかけることでも一致しました。また拉致問題の解決が最優先課題であり、早期解決にむけて引き続き連携していくことで一致しました。

日本は平和国家であり、あくまで外交によって問題を解決していくことに変わりはありません。しかし同時に、国民の生命を守るため、あらゆる事態を想定し、関係国と緊密に連携を図りながら、準備を怠らないこともまた、私たち政府与党の責任であると思います。

【テロの脅威を未然に防ぐために】

近年、世界中でテロ事件が発生し、多くの一般市民が犠牲となっています。今年に限定しても、イギリスの国会議事堂付近で通行人をなぎ倒し、警察官を刺殺した事件や、ロシアの地下鉄で発生した自爆テロ事件、ドイツでサッカー日本代表の香川真司選手が乗った所属クラブのバスが爆発に巻き込まれた事件など、報道されているだけでも多くのテロ事件が発生しています。

実際にはこれら以外の国々でも、報道はあまりされませんが、テロ事件は頻繁に発生しています。特にイラクやパキスタン、シリアやソマリアといった地域では、毎月複数回のテロ事件が発生して一般市民に多くの犠牲が生じています。

テロは日本にとっても決して無関係ではありません。2019年にはラグビーのワールドカップ、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。ミュンヘンやアトランタなどオリンピックは過去に何度かテロの標的となっています。

3年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックを安全に開催するためには、会場警備を始め国内のテロ対策を強化し、万全の警備体制を築くとともに、犯罪捜査やテロ情報の共有など、世界各国との緊密な国際協力が不可欠です。

【テロ等準備罪とは】

現在国会で審議している「テロ等準備罪」を新設する法案は、日本国内でのテロなど凶悪な組織犯罪を未然に防ぐことを最大の目的としています。同時にこの法案が成立することによって、テロや麻薬密売、人身売買や資金洗浄などの国際的な組織犯罪を防止する国際協力の枠組みに参加することが可能になります。特にこの国際協力の枠組み(国際組織犯罪防止条約)に現在不参加の国は、国連加盟国(193か国)の中で我が国を含めてイランやソマリアなど11か国のみです。

テロ等準備罪は、テロ組織や暴力団など犯罪を目的とする集団を、実際に犯罪が実行される前に、犯罪を計画し、準備を行った段階で検挙し、処罰することができる法律です。

具体的には、

①テロ組織や暴力団、麻薬密売組織など、犯罪を目的とする集団が

②テロの実行や薬物、人身売買や資金洗浄など懲役・禁錮4年以上の重大な犯罪を計画し

③計画に基づき資金の調達や、凶器や弾薬の手配、現場の下見などの実行準備を行った時

テロ等準備罪として検挙し、処罰できるという内容です。

上記のような厳しい成立要件に基づく法律なので、

テロ等準備罪は、一般の方々は処罰対象にはなりません。

また対象も「組織的犯罪集団」に限定されているので、労働組合やNPOなど正当な活動を行う団体が処罰の対象になることもありません。もちろん、居酒屋で「上司を殴る」と意気投合しても処罰されませんし、メールやSNSのやり取りで処罰されることもありません。捜査に関しても、他の犯罪と同様に刑事訴訟法に基づいて行われます。逮捕や捜索などの強制捜査は、これまで通り裁判官の判断による適正な手続きを経て行われます。通信傍受の拡大や会話の傍受といった新たな捜査手法も導入されないので、「日本が監視社会になる」という恐れもありません。

国民の生命を守ることは、政府の責任であり、使命です。引き続き丁寧に国会での審議、国民の皆様へのご説明を続けて参ります。どうぞご理解のほどよろしくお願いいたします。