国政報告~臨時国会延長~

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「ご挨拶」

先月アメリカ大統領選挙が行われ、共和党のドナルド・トランプ候補が民主党のヒラリー・クリントン候補を破り次期アメリカ大統領に就任することとなりました。同時に行われた連邦議会議員選挙でも、共和党が上下両院において過半数を維持する結果となり、今後2年間のアメリカ政治は共和党が主導権を握る形となります。

安倍総理は大統領選の後すぐにトランプ次期大統領と電話で会談し、先月中旬に開かれたAPEC首脳会議に出席するため南米のペルーに向かう途中、トランプ氏の住居があるニューヨークに立ち寄り、主要国のリーダーとしては最初にトランプ次期大統領と直接面会しました。

まだ現職のオバマ大統領の任期中であることもあり、会談は非公式のものとして詳細については公開されませんでしたが、会談終了後に安倍総理は、「共に信頼関係を築いていくことができる、そう確信の持てる会談だった」と述べ、今後の関係構築に期待を示しました。

選挙中の過激な言動などもあり、トランプ氏の政権運営には不安や懸念があることも事実です。しかしながらアメリカは日本にとって最も重要な同盟国であり、共に自由貿易を推進する世界経済の中心的存在です。日本としては、引き続き安全保障や経済でしっかりとアメリカと連携を図り、日米両国だけではなく、世界の平和と繁栄に向けて努力していくことが重要です。

外交において信頼関係の構築は極めて重要です。同時に簡単に構築できるものでもありません。小さな積み重ねがとても大切です。過度な期待や楽観は慎む必要がありますが、その意味で今回の安倍総理とトランプ次期大統領の初会談は大きな意味があったと言えるのではないかと思います。

ペルーでAPECが開かれました

先月の中旬から下旬にかけて、南米のペルーでAPECが開かれました。APECは、1989年に日本やアメリカ、ASEAN、オーストラリアなどアジア太平洋地域の12か国で発足した経済協力の枠組みです。現在はペルーやメキシコ、ロシア、中国などを加えた21か国が参加しています。

持続的な経済成長実現のため、開かれた自由な貿易や投資を推進していくことがその目的です。

今回のAPECでは、英国のEU離脱や、アメリカ大統領選挙で勝利したトランプ次期大統領が、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やNAFTA(北米自由貿易協定)からの離脱を唱えるなど、内向きの保護主義的な兆しがみられる中での開催となりました。

安倍総理は、首脳会議の中で「自由貿易こそが世界経済の成長の原点だ」と述べた上で、今臨時国会で議論されているTPPの重要性を強調しました。

経済は一方通行ではなく、往来が盛んになればなるほど発展します。日本はものづくりが得意な国です。しかし輸出だけが増えても日本経済は発展しません。国内での消費や輸入が増えることで経済活動が活発になり、経済が循環し成長していきます。日本が自動車など高度な技術を生かしたものづくりが得意なように、金融や新しいビジネスの創出などサービス産業が得意な国もあります。それぞれの国がそれぞれの得意な分野の商品やサービスを交換して互いに経済活動が活発になり、経済成長につながることが自由貿易の最も大きなメリットであり、目的です。

国会が延長されました

国会ではTPP関連法案の議論が行われ、11月10日に衆議院で可決され参議院に送付しました。憲法の規定により、参議院は今月9日までに議決を行うことが求められており、連日議論が行われています。TPPは自由貿易を推進する上で重要な協定です。アメリカの承認は難しい状況ですが、自由貿易の推進がアメリカにとって大きな利益につながるということを示す上でも、日本がTPPの承認を進めていくことが必要です。今国会の会期は11月30日まででしたが、TPPを確実に承認し、他の法案の審議もしっかりと行うため、国会の会期を12月14日まで延長しました。

将来も安心できる年金制度のために

TPPと同じく今国会で議論されている重要な法案が年金改革関連法案です。日本の年金制度は、個人個人が自らの年金を積み立てるのではなく、現役で働く世代が納める保険料によって現在受給される年金を賄う方式となっています。働く世代が高齢者を支える制度です。

日本では世界で最も早く少子高齢化が進んでいます。年金を受給する高齢者は毎年増加している一方で、年金制度を支える働く世代の数は横ばいか今後は減少していく見込みです。こうした事態に備え、これまでも働く世代の年金保険料の引き上げや、受給開始年齢の引き上げ、年金財政における税金の割合を増やすなど多くの改革を行ってきました。

しかし保険料の引き上げは働く世代の負担ばかりが重くなるため、現在年金を受給している世代と将来年金を受け取る働く世代の間で不公平が生じます。そのため、今の年金制度では、働く世代の年金保険料の上限を定め、少子高齢化による負担増はすべての世代で公平に分担する仕組みとなっています。今回の法案による主な変更点は、その公平に分担する仕組みの修正です。

21世紀に入って日本は物価も賃金も上がらないデフレ経済に陥っていました。日本の年金制度では、本来物価や賃金が下がったら合わせて年金受給額も下がる仕組みになっていましたが、特例で年金額を据え置いたため、働く世代にとって負担が増え、将来の受給額が減少するという不公平が生じていました。安倍内閣発足後、据え置きの特例は廃止しました。今回の法案は、年金制度が将来もしっかりと維持できるように、世代間の負担をより公平にするための法案です。

大切なことは、年金受給額を確保し将来に続く年金制度を維持するためには、安定した経済成長が不可欠だということです。安倍内閣は発足当初より経済の再生を最優先課題として取り組み、一定の成果を上げてきました。持続的な経済成長を実現するため、今後もあらゆる政策を総動員して参ります。日本の年金制度は世代から世代へ、働く世代が高齢者をみんなで支え合う制度です。ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。